6月になり、新卒の薬剤師もそろそろ服薬指導をしはじめたという人もいるのではないでしょうか。これからするのが怖いと思っている人も中にはいるかもしれません。
今回は服薬指導に尻ごみしている人にむけて思いを書いてみました。
小さい頃、薬局で薬を買うときに、店の人に
「どういったことに使うんですか」
などと聞かれて答えるのが面倒だなぁ(ただなんとなく欲しいだけなのに)と思ったものでした。
保険薬剤師として薬をお渡しするときに、
「今日はどういったこと(どういう病気)で受診されたのですか」
「どのような症状がありますか」
などといった質問をして、処方されている薬が症状に対して適切なものか、病名に対しておかしなものがないか確認してお渡ししなければなりません。
これ(医薬品の適正使用)が薬剤師の社会的役割であり存在意義であると思います。
しかし、質問したときに
「もうええから早く渡せ」
「病院で話しているから言う必要がない」
と言われる方が時々おられます。
それはそれで事情があることでしょうから(気持ちもわからなくもない)、ハイとお渡しするわけですが、
患者さんに対しては、「患者一人に対してたくさんの人がその人の健康維持に一生懸命頑張っていることに考えを巡らせてほしい」なと思います。
新人薬剤師はこういった態度をする人に幾度となく会うことによってだんだんと仕事に対する熱意が冷め、自分の知識や仕事が社会にとってあまり役に立たないと思うようになり、日々ただ処方箋をその通りこなす(調剤して渡す)だけで、調剤ミスさえしなければいいと言う考えになり、新しい知識を身につける努力をしなくなる人が少なくないように思います。
6年でたくさんの知識を身についているはずです。
新しい知らないこともどのようにするのが良いか適切な判断ができるような知識もそれなりに身についているはずです。
自信を持ってください。
これから薬剤師として仕事を続けるにあたり、患者さんの薬剤師の存在意義を否定するような態度に失望することなく、この職業を選んだときの情熱を持ち続けてほしいと思います。(頑張れ!)
きっと 自己研鑽を続けた人だけが見える何か に、気づく日が訪れると思います。
ヘレン・ケラーの言葉です。When we do the best that we can, we never know what miracle is wrought in our life, or in the life of another.(ベストを尽くせば奇跡が起こるかもしれません)