5月になり暖かくなってきました。
さて、薬局に処方箋を持っていくともらえるお薬手帳についてのお話です。
以前は手帳の作成についてお金が何十円かかかっていたときもあったのですが、今はお薬手帳の発行は無料で、これを毎回持って薬局に行くことによって自己負担額が安くなるという制度になっています。
具体的には調剤基本料1を算定している薬局だけの話なのですが、薬剤服用歴管理指導料が、手帳持参かどうかで次のように調剤報酬の算定が違ってきます。
① 6カ月以内に再来局 かつ 手帳による情報提供あり の場合 ・・・・・38点
② ①または③以外 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50点
12点差があるので3割負担の人は30~40円ぐらい自己負担額が上がります。
しかし本来お薬手帳は「持参すると安くなるから持っていくもの」ではなく、服用履歴を残すことにより、適正な医療判断を医療機関にしてもらうという「自分の健康被害を防止するために持っていくもの」です。
真面目な薬剤師は「正しい健康管理のために持ってきてください」と説明し、「持ってきたほうが安くなるから持ってきてください」という邪道な(?)説明を嫌います。上記①と②の説明を薬局がしないことに腹を立てたりするのは心得違いだと私は思います。
ちなみに調剤基本料は6種類あります。処方箋の受付回数や集中率、妥結率によって区分されています。多くの薬局は 調剤基本料1 を算定していると思われます。
手帳の持参の有無で点数が変わる薬局は 調剤基本料1 か 調剤基本料4 を算定しているところだけです。
この区分の詳しい説明を知りたい場合は他のサイトを検索すると出てきます。
「調剤基本料の完全解説」で検索すると良いと思います。